蝋燭よりも明るい、しかしどこか炎の明かりを思わせる温かい色の照明の下。見事な刺繍を施された絹張りの椅子に腰掛けて瀟洒な机に向かい、アルガレイスはペンを手に取った。金属でできたペン先をそっと墨壷に浸し、滑らかな紙の上をすべらせる。
『親愛なるルクレツェルお姉さまへ』
流麗な字で綴られ始めたそれは、姉ルクレツェル・ペリドレイトへと宛てた手紙であった。アルガレイスはこうして十日に一度、宿場から姉の居る王都、レクスアーバスへと手紙を送っているのだ。
内容は旅の途中の出来事や仲間達の事、見かけた景色や食べたもの、愚痴など様々だが、その役割が姉に、ひいては家族に自分の息災を知らせることであるのに変わりはない。
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一 行 で も ね 。
(タイムオーバーはいつもの事)
昨日はサボりでした。ごめんなさい。……と、誰にともなく謝ってみる。
この後アルガの手紙→ルクレツェルの場面 の予定。
予定は未定にて……。おたのしみに。
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